救急ナースは急病や災害、事故による怪我など緊急性の高い患者の医療処置やケアを行う仕事である。主な仕事は医師が行う処置の補助、救命や救急処置の他、トリアージや問診などの初期対応、患者やその家族のケアだ。
救命・救急処置においては、止血や包帯法をはじめ、点滴や採血などの医療処置、心肺停止時の救急蘇生処置を行うことが多い。救急の患者は症状や外傷、疾患の程度も様々異なるため、これらの状態を素早く判断するスキルが必要となる。
医師による処置への補助では、重症度の高い患者への処置をする医師の補助を行う。受けた指示を的確にこなすのはもちろん医師が次に何をするかを読みながら動くことも求められる。この点については看護師自身の経験やスキルによって大きく差が出てくるが、長く経験していくことで臨床推論の力も磨かれていく。問診・トリアージなどの初期対応では、得られる事前情報が限られている中で必要な情報を収集し治療の優先度について判断をしていく。初期対応に対する情報収集力、アセスメント力の見せ所といえるだろう。
患者や家族のケアは、不安や恐怖、突然のけがや病気に気持ちが追いつかない場合の心理的ケアなども求められる。救急ナースとして大切な役割であり、現在の状況や今後の見通しを心情に寄り添いながら説明していかなければならない。救急ナースは看護師として求められる基本的な能力はもちろん迅速な判断、対応力が不可欠といえるだろう。